工藤青果の取り組み

「安心して食べられるように加工されたもの」であること・・・製造工程での取り組み

ここでは製造工程での取り組みを写真でご紹介します。製造工程の概要は「漬物ができるまで」のページをご覧いただき、ここでは製造上の各ステージに共通することがらをご説明します。

電着帽

製品への毛髪混入を防ぐために、従業員は帽子の内側にネットをかぶっています。これは電着帽といって、毛髪が抜けても静電気によってネットに貼り付いたまま落ちないようになっています。モデルのTさんは耳とうなじの部分から髪の毛が出ていますので、鏡で確認しながらやり直しです。

マスクを二重に装着

人の吐息は5メートル先に届くといわれています。従ってマスクも二重に装着します。ルージュも塗れません。口紅などの化粧品には化学物質が多く使われていますから。

手袋・無塵作業衣

使い捨て手袋や無塵作業衣は抗菌・制菌のものです。指輪やピアス、ネックレスなどの装身具はもちろん、腕時計なども全て外します。手指が傷がないか、ハンドクリームをつけていないか確認します。

クリーンルーム入室前の準備

製造工場はクリーンルームになっています。入室前には、健康状態の確認のほか、粘着ローラーによる毛髪除去、入念な手洗い、頭髪ネット・マスク・無塵服・抗菌手袋の着用、エアシャワーでの挨の除去と、数多くの手順が必要です。筆記用具や輪ゴムなども不要物として一切持ち込めません。

手指・機械器具のアルコール消毒

作業の切替えや手順が変わるたびに、手指や機械器具をアルコールで消毒します。このアルコールは食品添加用、つまり高濃度のお酒です。スプレーボトルはアルコール噴霧用の専用品です。

保護カバーで覆われた蛍光灯

工場内の蛍光灯は、もしも管が破損した場合、ガラス片が散乱しないように保護カバーの中に入れられています。このカバーは蛍光灯の光の波長を調整することで昆虫の忌避効果もあり、走光性の虫を周囲から誘引させないようになっています。

品質基準の検査

全ての製品が品質基準の規格内にあるかどうか、自社の研究室で検査しています。素材は農産物ですから、気候や土壌の影響によって持ち味は収穫のたびに微妙に変わります。強く濃い味の調味で加工すれば、素材の味が変化してもごまかせるでしょう。けれども、工藤青果の製品は「素材の旨味をそのままに」ですから、塩分濃度やph値は一定でも、風味はごく微妙に異なることがあります。これだけは旬の風味としてご容赦ください。

原料・機器類の検査

生鮮食品であるがゆえ、「新鮮さとおいしさ」を安心してお召し上がりいただけるよう、製品原料や工場機器類の微生物を自社の研究室で検査しています。採れたての野菜ですから、畑の土もそのままついています。外皮についた土壌由来の雑菌は消毒しますが、製品自体は加熱加工しないため、野菜の中身までは殺菌できません。そのため、低温を保ったまま製造してお届けするのです。お買い求め後は、速やかに冷蔵庫で保管してください。ことに日が当たる車中などには放置しないようお気をつけください。

「安心して食べられるように加工されたもの」であること・・・物流部門での取り組み

次に物流部門での配送のこだわりをご紹介します。製品の配送などの物流は、加工とは関係ないように思われるかもしれません。けれども、上記の「添加物」でご説明したように、工藤青果の製品は製造からお届けまで、一貫して低温を保つことが重要なのです。そうした意味では、工藤青果の物流部も加工の役割を担っているのです。ここでは、その取り組みの一部をご紹介します。

写真は物流部の大型保冷車です。出荷前に荷室を十分に冷やして、製品の積み込みに備えているところです。通常、できあがった製品の配送は他の運送会社にまるごと委託するのが一般的です。なぜなら、車両代・維持費・燃料代・通行料・人件費など、あらゆるコストが安くなるからです。しかし、こうしたデメリットを踏まえたうえで、工藤青果はあえて専用の自社便で毎日配送するメリットを重視しています。

信頼配送のメリット

委託配送では、どんなドライバーがどんな運転をするのかわかりません。不規則な配送時間に追われて積荷が踊るような運転をされるかもしれませんし、日によってドライバーが代わることもありえます。毎日製造して毎日配送するうえでは、積荷の製品特性や配送先を熟知した専任のプロドライバーに任せたほうが安心です。

管理配送のメリット

低温管理が重要なのは既にご説明しましたが、その秘訣はご家庭の冷蔵庫と同じです。冷蔵庫のドアを頻繁に開け閉めしたり、庫内に食品をたくさん詰め込むと、冷気が一気に逃げたり、冷却効率が悪くなることはご存知だと思います。  保冷車もこれと同じことなのです。

委託配送だと、他社の積荷も同時に運ばれます。つまり、最終配送先までの間、他の荷物の積み下ろしのために、頻繁なドアの開放が長時間行われるということです。これでは十分な低温維持はできませんし、荷室の温度は急激な上昇と下降を繰り返しますので、製品の劣化と変質を早めます。

また、委託配送だと、運送効率を上げるために積載制限まで積荷を載せます。積載制限以下の軽く嵩張る積荷なら、荷室いっぱいに詰め込むでしょう。その結果は、これもご家庭の冷蔵庫と同じで、冷気の通り道が狭くなり、荷室の隅々までよく冷えなくなります。そのため、工藤青果の専用保冷車は、大きな荷室の半分程度しか利用していません。下半分だけに製品を積んで、上半分は冷えた空気を運んでいるのです。

こうすることによって冷却効率を上げ、工場から配送先まで低温のまま維持できるのです。

確実配送のメリット

委託配送の場合、一度出荷してしまうと後戻りできません。自社便でも出荷後に呼び戻すことはありませんが、もし追加発注が出ても待機している次の便で対処できます。

また、工藤青果の専属ドライバーは安全運転のプロばかりですが、毎日配送の場合、予期しえない事態にも備えておく必要があります。事故や故障など不測の場合でも、配送車を時間差で送り出せば次の便が先行車の荷をカバーできます。そのため、最終便が出荷した後も、一台は必ず社に残っています。

無駄に思えるかもしれませんが、これも毎日製造・毎日配送のための取り組みなのです。

FOOD ACTION NIPPON

食の安全について - 工藤青果の取り組み