お漬物ができるまで

1. 原料の入荷

原料の野沢菜は全て国内産の契約栽培です。農場で収穫された新鮮な野沢菜は、生産農家が虫などが混入していないか検品し、その日のうちに工藤青果に届けられます。

2. 漬込み

野沢菜運搬用の専用車で運ばれた野沢菜は、工藤青果で入荷の検品を行います。一束ごとに生育状況を確認し、虫や小石などの異物を振り落とします。重労働ですが、野沢菜の鮮度を保つために手を休めることはできません。ほぼ毎日入荷します。

3. 下漬け

下漬棟にあるタンクと呼ばれる専用の水槽に野沢菜を丁寧に並べ、食塩で下漬けをします。下漬けが浅いと青臭いままアクが抜けませんし、漬かりすぎると歯ごたえがなくなり変色します。塩の加減や漬け込み日数は季節や天候によって様々です。熟練の職人が野沢菜の成育状況に合わせて微妙に調整します。

4. 冷却

低温で鮮度を保つために、専用の加熱冷却装置で一定温度を保ちます。「漬かり」が進むと水があがってきます。野沢菜特有のシャキシャキした食感を残しながら軟らかくしなやかになったら下漬け完了です。下漬けされた野沢菜は、そのままでも自然な甘みがあっておいしく食べられます。

5. 洗浄

下漬けされた野沢菜は、製造棟の洗浄室へ移されます。写真はありませんが、第一洗浄槽に野沢菜を入れて、かけ流しの流水で洗います。一束ずつ手作業で丹念に洗浄して、大きな異物や野沢菜のアクを洗い落とします。手洗いが済むと、次は機械による第二洗浄です。洗浄機は野沢菜専用に開発したもので、茎の間と葉の裏表が同時に洗えるようになっています。コンベアにきれいに並べて送り込みます。

6. 殺菌

機械洗浄の様子です。複数の大きな水槽の中に食品専用の殺菌洗浄剤を入れて野沢菜を殺菌消毒します。機械の下からは大量の空気の泡を噴き上げて、茎や葉についた異物も洗い流します。水槽から上がった野沢菜に上から高圧の水を噴射し、泡で取れない異物を洗い流します。

7. 異物の除去

機械による第二洗浄が済むと、再び人の手による第三洗浄です。これも野沢菜専用に開発した洗浄機です。冷水をかけ流しにした水槽に野沢菜を数本ずつ入れて、高圧流水で丹念に洗い流します。 腕がはじかれる高水圧なので迅速で正確な作業が求められます。茎の間の砂粒や葉に付着している虫の卵なども、きれいに洗い流されます。

8. 計量とおりたたみ

殺菌洗浄された野沢菜は包装室に移され、商品の内容量に合わせて計量されます。一本一本の状態を見ながら、虫食いの跡や折れた部分などを取り除き、異物の取り残しがないか検品しながらの作業です。計量した野沢菜は手作業で丁寧に折りたたみます。野沢菜の鮮度を保つため、熟練のスタッフならではの正確で素早い作業です。

9. 調味液の調合と冷却

浅漬け調味液は空調管理された調味液室の大型タンクで調合され、充填直前までコンピュータ管理の冷却装置で冷やされています。容量1.6トンのタンクは4本あり、内部や配管は毎日丁寧に洗浄して殺菌消毒されています。調味液は合成保存料や着色料などを一切使いません。味の要になる食塩は、沖縄で作られた天然ミネラル豊富な自然海水塩です。

10. 充填と密封

計量して折りたたまれた野沢菜は、この機械で商品ごとの袋に入れられ、調味液が充填されます。賞味期限の日付が印刷され、密封されると写真右下の金属探知機で異物混入を調べます。野沢菜の鮮度を保つため、この一連の工程にかかる時間はわずか数秒です。その速さは野沢菜が目で追えないほどです。もしも金属異物が混入していると、全てのラインのコンベアは自動的に停止し、製品は包装室から出られません。

11. 冷却

包装室からコンベアで送られた製品は直ちに出荷室の冷却水槽に入ります。摂氏1℃の冷水で十分に冷却し、出荷まで鮮度を保ちます。ここでも製品に異常がないか一つずつチェックされ、専用のコンテナに入れられます。

12. 出荷

冷却が終わると直ちに出荷です。 野沢菜漬は製造したその日のうちに、専用の保冷車で低温を保ったままお店に届けられます。工場の操業と同じく、工藤青果の物流部トラックも365日関東近県を往復しています。写真の3号車はこれから近隣のインターで上信越道に乗り、首都圏へ向かいます。

FOOD ACTION NIPPON

食の安全について - 工藤青果の取り組み